2009年09月03日

これからが勝負;2009年衆議院選挙結果

これからが勝負;2009年衆議院選挙結果


 長い無意味な時間を掛けた総選挙がようやく終わった。誰もが結末を知っていた結果が、8月31日未明に判明した。前回の小泉郵政選挙の自民党の圧勝数(300議席)を上回る、民主党の圧勝(308議席)だった。これらの選挙結果については、多くのメディアで取り上げ、論じられているが、専門家も国民も共通した感想は、総じて、積年の自民党支配政治では、最早、国は治められないという国民の意思表示だということらしい。私もそう思う。子ども等に「夢」を、若者に「希望」を、お年寄りに「安心」をと、それを与えることが出来なかった方々が、額に青筋を立てて声を張り上げても、聴衆は白けるだけだった。告知初日、この結末を予知する光景をみた。それは近くのスーパーの前で、自民党の重鎮の一人と目される、当選挙区候補者が立候補の挨拶を行っていた。いつもの選挙では、こんなところで演説のしない方だったが、相当の危機感を持って臨んでいるなと感じた。しかし、聴衆はさめていた、横目で候補者を見ながら、立ち止まらず、足早に通り過ぎ、運動員も含め30人も人だかりはなかったのではないか?この現実を候補者はどう感じたか。さらにこの候補者の選挙カーは、投票日前日、正に悲壮感をにじませ、音量を最大にして当マンションの周囲を駆け抜けた。驚くべき連呼だった。結果、候補者は永年の議員ポジションを、比例区でかろうじて保った。

 空気が読めないとうKY造語に対し、かって、小生はJY、時代が読めないという造語を用いた。今回の与党の議員たちの多くは、特に、幹部クラスは正にJYだったのではないか。まだ、政権もとったことのない民主党に、外交や財政再建などの未踏の問題について、負のキャンペーンを張っても、意味がなく、逆に、それらの行き詰まりを露呈している与党の無力さを浮きぼりにしてしまったことに気がついていない。弁解や言い訳が受け入れられる事態ではなくなっていることを把握すべきだった。選挙後、落選した与党党首の一人は、選挙中、いつもと変わらぬ都民の反響を感じていたので、この結果が予測できなかったといっていた、象徴的なコメントだった。だが、密かに事態を読めていた幹部もいた。選対委員長や幹事長を担当していた与党重鎮である。自らは、これまでとおり、選挙区で当選していた。この差は何だったのか。

 一方、「歴史が動きました。日本は変わります。みんなの手で変えていきましょう」と当選の喜びを語った28歳の薬害肝炎訴訟原告福田衣里子氏は、時代を見据えていた。勝つべくして勝った、新進気鋭の政治家かもしれない。政治家としての経験は少ないだろうが、医療被害者として痛みを背負いながら、国の医療事情をしっかりと把握している福田さんは、時代の申し子として政治の世界に羽ばたくかもしれない。また、東海地区比例区で最下位で当選した磯谷香代子さんは、「負け組み」代表として格差社会の痛みのわかる政治家になるかもしれない。時代の象徴的なお二人の当選は、福田さんが言う日本の変化の兆しとなって欲しい。民主党の若い国会議員諸氏は、政権交代を願っていたとは言え、現実となって、少々青ざめているようだが、明治維新も若い志士たちの活躍で新しい日本が生まれたことを思えば、変革も不可能ではない。営々と続いた官僚政治の構造的悪癖を、ここらで抜本的に改善せねば、子ども等に「夢」を、若者に「希望」を、お年寄りに「安心」を与えることは不可能であろう。

 方向性に間違いないと思えるので、長い眼で見ていきたい。的確な批判の目を持ちながらも、可能な限り支援してみたい。そんな感想を抱いた2009年衆議院選挙の結末だった


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